※本記事はあくまで「予防」に関する内容です。現在痛みを抱えている人はランニングや筋トレなどは控えてください。
・ランニング始めたけど膝の痛みが出てしまった
・走るといつも痛くなる
・膝の痛みを防ぐ筋トレやフォームが知りたい
膝の痛みを抱えるランナーは非常に多く、一度痛みが出ると長期間走れなくなるので困りますよね。
私はランニング専門トレーナーとして、多くの初心者ランナーさんを指導してきました。
中には、過去に膝の痛みに悩まされた経験のある人もいて、当てはまる方に共通していることがありました。
本記事では、ランニングで膝に痛みが出る原因とフォームのコツを解説。
また、膝の痛みを防ぐ筋トレもあわせて紹介します!
ランニングで膝に痛みが出る原因は?
ランニングで膝に痛みが出る原因は、膝に大きな負担をかける走り方をしているからです。

まあ、当たり前のことですね(笑)
ただし、この”走り方”には大きく分けて2つの意味があります。
①練習量・練習内容という意味での”走り方”
②ランニングフォームという意味での”走り方”
①については、シンプルに走りすぎが原因です。
「いきなり何時間も走ったわけではないのに!」という方もいるでしょう。
ランニングで大事なのは、少しずつ走る時間を伸ばすこと。
例えば、
・初心者ランナーは20〜30分くらいのランニングから始める
・30分楽に走れた人もいきなり1時間ではなく、まずは40分に伸ばす
このように、身体への負荷は少しずつかけなければなりません。
以下の記事では、初心者ランナー向けにどれくらいの距離から始めればいいのかを解説しています。


②については、膝に集中的に負担がかかるようなフォームで走っているということです。
具体的に、
・どんな走り方になってしまっているのか
・何を意識して走ればいいのか
は、次の章で解説します!



筋トレで足腰を強化することも大切ですが、そもそもなぜ膝に痛みが出るのか、その根本的な部分も理解しておきましょう!
膝の痛みを防ぐ走り方のコツとは?
ここからは、膝へ集中的に負担がかかってしまうフォームの特徴と意識すべきポイントについて解説します。
まず、膝へ大きな負担がかかってしまうフォームの特徴は大きく2つ。
①ストライド(一歩の歩幅)が大きい
②着地した時に股関節周りの筋肉が活性化していない
①について、一歩当たりの歩幅が大きくなるということは、かかとからブレーキをかけるような走り方になっています。
強いブレーキがかかることで、膝への衝撃が大きくなるので、痛みにつながってしまうということです。
②の股関節周りの筋肉は、具体的には、おしりや太ももの筋肉を指します。
ランニングでは、足関節(足首)・膝関節・股関節を適度に曲げて着地の衝撃を吸収しています。
つまり、着地した時に股関節周りの筋肉が”使われていない”と、膝や足首に集中的に負荷がかかってしまっているということです。
ちなみに、筋肉が“使われていない”というのは、単純に筋トレで筋力をアップさせることではありません。
使うべき筋肉を使うべきタイミングで動かす、脳からの神経伝達を高めるという意味です。
これらを踏まえて、膝の痛みを防ぐために意識すべきポイントを2点紹介します。
・いつもより少し歩幅を狭くして走る
・足の裏がスタンプになっているイメージで足裏全体で着地する
この2点を意識して、走ってみてください!
以下の記事では、このほかにもランニングフォームのポイントを解説しているので、あわせて参考にしてください。


ランニングによる膝の痛みを防ぐ筋トレ3選!
※ここで紹介するのは「痛みを防止するための」筋トレです。膝の痛みがない時に実施してください。
ここまで、ランニングで膝に痛みが出る原因や走り方の特徴などを解説しました。
少しずつ走る時間を伸ばしたり、適切なフォームで走ったりすることで、膝の痛みが出る可能性は下げることができるでしょう。
ですが!
理想は、ランニングに加えて筋トレも追加することです。
膝の痛みを防ぐだけでなく、長い時間を楽に走れるようにもなるので、ぜひ定期的に取り組んでくださいね!
サイドランジ


【目的】
内もも(内転筋)やお尻(中臀筋)の強化、左右のバランス改善
【やり方】
①足を肩幅より広めに開いて立つ
②真横に踏み込みながら、踏み込んだ足に体重をかける
③踏み込んだ側の膝を曲げ、お尻を後ろに引く
④元の位置に戻る
【注意点】
・膝が内側に入らないように
・背すじを伸ばし、股関節から曲げる
・動作はゆっくりと
【回数・セット数(初心者向け)】
・左右各8〜10回 × 2〜3セット
フロントランジ


【目的】
太もも前(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)の強化、着地時の安定性向上
【やり方】
①まっすぐ立った姿勢から片脚を前に踏み出す
②前脚の膝を90度、後脚の膝を床すれすれまで下げる
③前脚で地面を押して元に戻る
【注意点】
・前膝がつま先より出すぎないように
・背中を丸めず、目線は前
・前脚にしっかり体重を乗せる
【回数・セット数(初心者向け)】
・左右交互に10回ずつ × 2〜3セット
クラムシェル


【目的】
お尻の横(中臀筋)の活性化、股関節の安定
【やり方】
①横向きに寝て、膝を曲げる(90度)
②かかとを合わせたまま、上側の膝をゆっくり開く
③股関節から動かす意識で、反動を使わずコントロール
【注意点】
・骨盤が後ろに倒れないように固定
・上げる高さは小さくてもOK(丁寧に)
・動作スピードはゆっくり2秒上げ→2秒下げ
【回数・セット数(初心者向け)】
・左右各10〜12回 × 2セット
まとめ
ランニング中の膝の痛みは本当に困りますよね。
ですが、ちょっとしたフォームの意識や筋トレなどを取り入れるだけで、予防できます!
今回紹介した3つの筋トレは、どれも道具いらずで自宅でできるものばかり。
特にお尻や太ももなど股関節周りの筋肉をしっかり使えるようになると、着地の衝撃を吸収しやすくなり、膝への負担がぐっと減ります。
無理なく続けることが大事なので、最初は少ない回数からでもOK。
筋トレを習慣にして、痛み知らずでランニングを楽しみましょう!